391街区の読み解き方

 藤沢391街区がある藤沢駅周辺では、現在駅前再開発の準備が着々と進められています。この再々開発では区画整理以降、これまで培われてきた駅前空間の空間システム※1 がいかに生かされるかが藤沢の街の方向性に大きく影響されるのではないかと考えています。空間システムは街の骨格であり、街の個性です。地域文脈が継承されるのか、はたまた失われて、全く新しい空間秩序が作られるのか、どうなるかは分かりませんが、少なくともこれまでの空間の価値を再評価していくことが将来のビジョンに大きく影響し、また将来のビジョンの立て方によってこれまでの空間システムとしての価値が再生されるのではないかと考えます。私たちは391街区こそがそんな空間システムの節目であると考え、これを「都市計画遺産」として評価し、価値を高めていくことに取り組んでいます。

 

一方で再開発と聞けば、

①土地利用・形態上の不連続点

②単なるビル建設であり都市的な役割、位置づけ、意味性は有していない

③取り替え可能な空間にすぎない

このように考え、また遺産的な価値を見いだすことに疑問を持つ人も少なくないかもしれません。しかし私たちはそのような考えとは裏腹に、再開発も社会システム※2 を継承しながら都市の文脈を受け継いだ遺産として見られるのではないか、むしろそのような視点が重要ではないかということを提案していきたいと考えております。

 

 その方法として、藤沢391街区を地域文脈の節目ととらえ、その前後の歴史的変遷を分析することに取り組んでおります。当該地区において社会システムがどのように継承され、空間システム※2 としてどのような影響を与えたのかについて明らかにするとともに、その関係性を明瞭化することにより今後の391街区における再々開発のあり方も示唆していきたいと考えております。

 

※1 空間システム

空間システムとは、都市において歴史的に見て秩序立てて展開されている空間の秩序

※2 社会システム

社会システムとは、都市において無意識的・意識的に存在する空間秩序をコントロールしている主体組織・ルールを指す。

図:391街区の見方
図:391街区の見方